いつも同じ空の下で

それからあっという間にクリスマスが過ぎ、年が明けた



クリスマスは去年と同様、ヨシキの家にお邪魔した

ヨシキの家族は温かく迎え入れてくれて、楽しい時間を過ごした



本当に幸せな時間だった



ヨシキと私はお互いのクリスマスプレゼントとして指輪を買った

シンプルなシルバーリング

真ん中には、小さなブルーの宝石が埋め込まれている


そして、内側には文字を彫ってもらった




Even if separated, it is under same sky

(離れていても同じ空の下)




どんなに離れていても、会えなくても

同じ空の下で繋がっている

同じ太陽を

同じ月を

見ている




そんな想いを込めて






それからしばらくして私は大学受験を迎え、見事合格。


合格発表の時は私より緊張していたヨシキ

でも合格が分かると、自分の事の様に喜んでくれた



私の実家でお祝いパーティーをした時は、いつもの様に私の家族にモテモテだった

イギリスに留学する事をこの時初めて両親に話した



「寂しくなるわね」

とみんな残念がっていたけど



「頑張ってきなさい。今しかできない事なんだから」



と、最後はヨシキの背中を押してくれた





そして長い長い冬を越えて、春がきた

私とヨシキが出会った季節

そして



――私達の別れの季節


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