いつも同じ空の下で


「それがそうでもないんだなぁ・・・もともと青凌とも今回が初めての練習試合だったし」



モグモグとチーズケーキを食べていたユウキが、カシャンとフォ―クを力なく置いて答えた



「そっか・・・でも、きっとどっかでもう1回会えるよ! 名前も学校も分かってるんだしさ!! タカシもバスケ部だから、それとなく聞いてみるよ」

「本当っ? アヤカ!? ありがと! 頼む~~」



何とも頼もしいアヤカを、まるで仏の様に拝んだ

すごい・・・アヤカの後ろに後光が見える



いつもサバサバしている私の女の部分を見られて、少し恥ずかしいけど

それでも、どうしてももう1度ヨシキに会いたかった




あの瞳をどうしても、もう1度見たかった





「でもさ。なんか羨ましいなぁ・・・出会いは少し変わってるけど、なんかジュリ恋してる顔だもん」



そう言って唇と尖らせて、拗ねた子供みたいにユウキが呟いた



「うん。恋してるときの顔って、すぐ分るよね~。ジュリなんか、女の子! ってオーラがでてる」



紅茶をすすりながら、嬉しそうにアヤカが私の目を見つめながら頷いた

そんな2人の言葉を聞いて、顔に熱が集まっていくのが分かって、思わずパタパタと手で扇いだ



「やっぱり・・・恋なのかなぁ」



自分でも、この感情がいまいち分からない

もう1度会いたいとは思うけど、それはどんな人でも感じる事だし、一概に恋とは言えないんじゃないのかなぁ・・・


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