いつも同じ空の下で
「きっとインパクトが強すぎて、混乱してるのかもね。でも、もう1回会ったらきっと恋だって分かるよ」
うふふ。と笑ってアヤカが紅茶のお代わりをウエイターに注文した
なんだか恋愛経験者の言葉は重みがあるな
そんな事を思いながら、目の前のアヤカを羨望の眼差しで見つめる
「っていうかさ。どんな人だったの? そのヨシキって人」
グフフと悪戯っ子みたいな顔して、ユウキが期待の目で詰め寄ってきた
その、なんとも言えない顔を見て苦笑いが出る
それでも、あの時のヨシキの表情を思い出して、ゆっくりと口を開く
「どんなって・・・普通だよ。よくいるバスケット少年みたいな・・・」
「そんな事を聞いてるんじゃない~!! 雰囲気とか。あと・・・どんな顔!?」
今にも消え入りそうな声で言った私の返答が期待していたモノと違っていたのか、少し急かすような口調でユウキが私に詰め寄ってきた
徐々に赤くなる顔を押さえて、目の前に紅茶に目を落としながら、再び口を開く
「雰囲気は・・・子犬みたいな? ゴールデンレトリバーの。顔は・・・少し大人びて見えるかな、髪が緩いウェーブかかってたし・・・身長はハヤトぐらいかな・・・・」
昨日のヨシキの顔を一生懸命思い出して、思いつくままにポツリポツリと話した
「あと・・・」
と、少し言いかけた言葉に2人が目をキラキラさせて私の言葉を今か今かと待っていた
「目の色がなんだか・・少し変わってて・・・妙に透明感があって・・・グレーがかったような・・・・吸い込まれそうな・・・」
何度も何度も甦る、あの瞳
太陽の光を取り込んで、キラキラと輝いていた
でも、そこまで言いかけた所で、なんだか急に恥ずかしくなって
「だ――っ! もうここまで!! あとは2人の想像にお任せ!!」
と、戦線離脱した
「え――――っ!!!」
もちろん2人は納得なんてしないで、まるで玩具を取られた子供みたいに、唇を尖らせて文句を言っている