いつも同じ空の下で



「ここまで聞かせといて、それはないよ~」


と、口ぐちに言っている



ユウキに至っては



「あぁ~もう、興奮したからトイレしたくなっちゃたよ!! ト・イ・レ!!」



と、トイレをしたくなったのを、あたかも私のせいみたいにして、勢いよく椅子から立ち上がってトイレ目掛けて駆けて行った

そんなユウキを見てアヤカが、ふふっと笑った




「ユウキ、きっと寂しいんじゃない?」

「寂しい? 自分だけ恋してないから?」

「まぁ~それもあるだろうけど、ジュリをヨシキくんに取られたみたいで」

「取られる?」

「そう。う~んと例えるなら、お母さんをいきなりできた弟に取られたみたいな?」

「って、私まだヨシキと付き合うわけじゃないよ!?」



アヤカの発言にビックリして両手をブンブンと振って否定した

そんな私を見て、アヤカは楽しそうに笑った



「今はそうだけどさ、今までジュリから男の人の話なんて出なかったから、いきなり湧いて出た『ヨシキ』くんにヤキモチやいてるんだよ、きっと」

「そう...なのかな」



ヤキモチか・・・

でも私がもし、ユウキの立場だったら同じ事思うだろうな

ユウキの事、昔から私が一番近くで見てきたのに、今度からは「一番」が私じゃなくなるんだもんなぁ


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