いつも同じ空の下で
転がる様に、慌てて階段を駆け下りて1階のヨシキが出て行った出口へと向う
それでも1階は試合を終えた選手と、これから試合の選手で溢れかえっていた
これじゃ、どこにいるか分からない
慌ててキョロキョロしながらヨシキの姿を探していると
「――っ」
突然、後ろからガシッと右腕を掴まれた
驚いて後ろを振り向くと、そこには私の腕を掴んだヨシキがいた
「こっち」
驚く私を余所に、そう言ってヨシキは私の腕を掴んだまま人混みをかき分けて歩き出した
その後、ヨシキに連れられるがまま歩き、中庭へと出た私達
そして、人混みが少なくなった所で掴んでいた手を離して振り返ったヨシキ
「久しぶり。試合見に来てたんだ」
「うん。友達の彼氏が、うちの高校のバスケ部なの。まぁ、どっかの誰かさんに、こてんぱに負かされたけどねっ」
恥ずかしさのあまり、妙にハイテンションで答えてしまった私
目の前のヨシキの目を見る事もできずに、早口にそう言った
すると
「アハハッ!! まぁ、でもいい勝負だったよ」
そんな私の姿を見て、一気に笑顔になったヨシキ
そして、Tシャツをたくし上げて流れる汗を拭いた
その瞬間、チラッと覗くお腹
鍛えられた筋肉は、なんだか色っぽい
一気に顔が赤くなるのが分かって慌てて下を向いた
「...今日はもう試合ないの?」
「うん。今の試合でおしまい。あ、ジュリこの後空いてる?」
「――えっ!?」
突然の思ってもみなかったヨシキの発言に、驚いて勢いよく顔を上げた