いつも同じ空の下で
まさか手を握られると思っていなかった私は、もう冷静さを保つ事で精一杯
それでも、真っ暗な世界の中、導く様に進むヨシキの手をギュッと握った
ドクドクと心臓が耳元で鳴る
握った手が熱い
緊張して心臓がおかしくなりそうなのに
ずっと、こうやっていたい
そんな事を思っていると
「着いた!! いい? ジュリ。ゆっくり目を開けて」
目的地に着いたらしいヨシキは繋いでいた私の手を離した
途端に、離れた手が恋しくなった
「あ...開けるよ?」
そんな事を心の隅で思いながらも、恐る恐る目を開けた
途端に眩い光が瞳に飛び込んできて、思わず目を細める
それでも、徐々に見えてくるその景色に思わず息を飲んだ
「―――っ」
目を開けるとそこには、満開の桜が空一面に咲いていた
快晴の空に咲くピンク色の桜は並木道の横に並んで植えられており、桜のトンネルになっていた
そして目を下すと、桜並木の垣根部分を黄色の菜の花が一面に咲き誇っていた
「綺麗・・・・」
まるで天国にいる様な景色に、感動のあまり声が擦れた
「どうしてもジュリにこの景色見せたかったんだ。きっと喜ぶと思って」
そう言ってヨシキは少し恥ずかしそうに頭を掻いた