いつも同じ空の下で
「もう!私はジュリの家の、ワンちゃんとは違うんだからね!!」
と風船みたいに頬を膨らます姿は、女の私から見ても可愛い
「今日のパンは品揃え豊富だよ~!! 先生来る前に少し食べようよ!」
「あ、私バターロールがいい!ある?」
とユウキが持っている今にも底が抜けそうな袋をウキウキしながらアヤカが覗いている
これが私達の毎日の日課
3人で机に座って、他愛もない事をパンを食べながらおしゃべりする
毎日会っているのに、会話が途絶える事はなく、教室には私達3人の笑い声が響いている
楽しい高校生活。
――――・・・
――・・・
「ねぇねぇ!先週の日曜日に貴志とデートしてたらね、新しくできたケーキ屋があってさ!試しに入ってみたんだけど、内装がアンティークでケーキもすっごい美味しかったんだ!今度3人で行こうよ!!!」
少しうっとりしながら話していたのに、急に目をキラキラさせてアヤカが話してきた
「おぉ!ケーキいいねぇ~!!いこいこ!
ってか貴志にケーキかぁ~なんか想像したら笑える・・・」
ニタニタしながらユウキがチョコクロワッサンを頬張っている
「・・・たしかに」
『貴志(タカシ)』というのはアヤカの彼氏で、中学の時から付き合っているらしい
今は私達と同じ高校のバスケ部で、身長は私が横に行けば見上げるぐらい
髪の毛は運動部らしく短く切られていて、すっと通った鼻に少し眠そうな目・・・・
あんまり話した事はないけど、周りの男子みたいにギャーギャー騒がない、ちょっとミステリアスな感じ・・
アヤカ曰く、そのミステリアスな感じがたまらないんだとか...
まぁ少し天然の、おしゃべりが大好きなアヤカには、黙って話を聞いてくれるタカシみたいな人が合ってるんだろうな