いつも同じ空の下で

「走って帰ったら風邪ひくよ」




優しい声と共に、頭の上にすっと傘をかけられた


驚いて後ろを振り向くと、私に傘を差し掛けてニッコリ笑うヨシキが立っていた





「ヨシキ!? なんで? どしたの!?」




まさかのヨシキの出現に驚きながらも、会えると思っていなかった私は嬉しくってヨシキに駆け寄る




「今日は会う約束してなかったよね?」

「部活が早く終わったから、ジュリに会いにきたんだ」



そう言って少し濡れて額に引っ付いていた私の前髪を、優しくかき分けたヨシキ

その大きな手に、無条件に心臓が高鳴る




「傘持ってないんでしょ? 送るよ」

「ほんと? ありがとっ」




思ってもみなかった展開に一気に笑顔になる

そんな私を見て、ヨシキも目を細めて笑った



ヨシキも私に会いたいとか思ってくれてるんだっ



そう思うと胸の奥がポカポカと温かくなった