いつも同じ空の下で


「もー!2人してタカシをバカにして~!!タカシはあぁ見えて甘いもの大好きなんだよ!昨日も苺のショートケーキをニコニコしながら、嬉しそうに食べてたんだから!」



そう言って、必死にタカシのいい所を伝えるアヤカ

本当にタカシの事好きなんだなぁ~と少し羨ましくも感じた



だって私には、そんな恋い焦がれるような恋もしたことないし

そんな人に出会ったことすらない


部活は好きだけど、今しかない高校生活を部活にだけ捧げている自分が、なんだか妙に寂しくってチッポケな人間に思えてきた



そぅ思っていたのは、ユウキも同じだったらしく




「いいなぁ~私も彼氏とデートとかしてみたいなぁ~....夜も眠れないぐらい激しい恋がしたい!!」



まるで悲劇のヒロインの様にワァァ!!と机に突っ伏して泣く真似をするユウキ



「ユウキみたいな綺麗な人だったら、彼氏なんてすぐできそうなのになぁ~」



と、アヤカがバターロールをかじりながら、ウォウォン泣いているユウキを見下ろした



――と、そこに。



「なにコレ?」



ウォンウォン泣いているユウキを、呆れた目で見ながら指さして立っているのは




「隼人!!乙女が泣いている時にかける言葉がそれ!?そんなんだから彼女できないのよ!」



とさっきまで突っ伏して泣いていたユウキが、電光石火のごとく起き上がった



「朝から元気だよなぁ~・・・あ!俺にもパンくれ」

「だめ~!!!これは部活の後に食べるんだから!あんたは購買で買ってきなっ」


とユウキの今日の戦利品に手をかける隼人から逃げる様に、紙袋をギュッと抱えてプイッとそっぽむくユウキ

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