いつも同じ空の下で
合宿
ミーンミーンミーン
セミの鳴き声が体育館の外で大合唱している
体育館の中は、まるでサウナの様な熱気だ
「暑い~~~~」
「夏だもん、そりゃ暑いよ」
「でも、暑い~」
さっきから「暑い」を連呼しているユウキ
ダラダラと垂れる汗を拭いながら、唸っている
――季節は夏
あんなに嫌だった梅雨はいつの間にか明けていた
それでも、次はうだる様な暑い毎日が襲ってくる
「せっかくの夏休みなのに、毎日毎日部活部活って・・・なんか、おもしろくな~い!!」
「どうせ家にいてもゴロゴロしてるだけでしょ?」
首にかけてあったタオルをギュッと握ってユウキが天を仰いで叫んでいる
そんなユウキを横目に、冷たく冷えた水で喉を潤す
「それに来週から合宿だよ~。3泊4日の地獄のっ」
恐ろしい顔でそう言ったユウキの言葉を聞いて、一気にテンションが落ちた
――そう。我が桜華高校バレー部の恒例行事の1つでもある「地獄の夏合宿」
毎年夏休みに、郊外にある現代社会から取り残されたような山の中にある合宿所で行うもの
携帯電話も通じない程の山奥だ
ドSなのか知らないが、うちの監督はこの合宿になると私達をしごきまくる
森の中は恰好のランニングコースで、精神を鍛えるやら知らないが永遠に走らされる