いつも同じ空の下で


「ほら、散った散った!!」



そう言ってヨシキは私の周りに群がっていた男の子達を、わぁわぁと散らばせた




「ごめんねジュリ。嫌な思いしなかった?」



さっきまで少し怖い顔していたヨシキが、いつもの優しい顔に戻っていた



あんな顔する事もあるんだな~

なんだかヨシキの新しい面を見れて得した気分




「ううん。みんな面白い人達だね」

「女に飢えてるんだよ、あいつ等・・・」



仕方ないなって顔で散って行った友達を見つめるヨシキ

それでも、みんなを見つめるヨシキの目はとっても優しい目をしていた


きっと、みんなの事大好きなんだろうな


そんなヨシキを横目に見ていると




「ジュリ~。荷物下すよ~」




遠くの方でユウキの呼ぶ声が聞こえた

その声でハッと我に返る



「ごめんっ!! 行くね」



名残惜しかったけど、ヨシキに手を振って自分たちのバスに戻った

バスに戻ると、ユウキが悪そうな顔してニタニタ笑っている




「あれね? ヨシキって。結構いい男じゃない」



そう言って、悪そうにグシシと笑っているユウキ

可愛い顔が台無しだ


< 84 / 351 >

この作品をシェア

pagetop