いつも同じ空の下で
しばらくすると、私達の宿舎と同じ造りの部屋がずらーっと並んだ廊下に出た
それでも聞こえる声は、すべて男のもので
一気に緊張感が高まって、思わず立ち止まった
すると、突然ガラッと一つの部屋が空いて、男の人が一人出てきた
ビクっとした私達は、その場で飛び上がった
そんな私達の存在に気付いた男の子が、視線をこちらに向けた
「あれ~~? ヨシキの彼女じゃん。どうしたの、こんな所で」
そう言って、大きな声で私達の方に近寄ってきた男の子
その姿に逃げ出したい気持ちになりながらも、持っていた短パンをオズオズと差し出した
「あっあの。これ、洗濯機の中に残ってて・・・」
「あぁ! うちの短パンだよ、ソレ。わざわざ届けてくれたの? 助かるよ」
そう言って、少しタレ目の男の子はニカッと笑って短パンを手に取った
無事短パンを渡せたことに満足して、ふぅっと溜息をついて、そそくさと帰ろうとすると
「ちょ、待ってよ。せっかくだしヨシキに会っていけば? 横の子も一緒に」
そう言って私とユウキを交互に見て、廊下を奥へと進んでいった彼
「えっ! そんなっ! いいのに」
「なに言ってんの!! その為にきたんでしょ!!」
慌てて断ろうとした私に、ユウキが肘でコンコンと脇腹を突いてコソコソ声でそう言って睨みをきかせてきた