不滅の妖怪を御存じ?



「……突然変異とか、そーゆーこと?」

「そう!そんな感じだ。」


人間や動物にも遺伝子のなんちゃらにより突然変異というニュースを見たことがあるが、妖怪にもあるのか。
少年は元々色素が薄いのかもしれない。
パッチリとした目の色は茶色だ。


「この髪のことで周りの奴らからは色々言われるけどな、俺は唯一の継承者なんだぜ。」

「……はぁ。」

「本当だからな!俺は竜宮城の城主になる男だぞ!」


竜宮城。
少年の言葉に藍は少し考える。

竜宮城っていうのは浦島太郎のあれか。
乙姫とかがいて、竜神が住むという。

少年の姿を今一度観察してみた。
茶色いフワフワの髪。
茶色い目。
藍より小さい背。
魚のヒレのような形をした耳。


「な、なんだよ!?」

藍の視線に気づいたのか少年は少し後ずさる。


「……いや、君、龍っぽくないなぁって思って。」

「いいだろ別に!見た目で判断すんな!」

確かにそうだと藍は頷く。




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