不滅の妖怪を御存じ?




「藍さんの妖怪が見える力を持ってすればすぐにでも実践に移れるだろうとの意見により、『かみ』という学年に入ってもらいます。」

かみ。
そんな学年の単位があるのか。
藍が不思議そうな顔をしていると、紫月が続けて説明してくれた。


「簡単に言えば実践練習を行う学年です。鬼道学園では年齢ではなく能力によって学年が上がる仕組みです。ちなみに学年は上から『かみ、すけ、じょう、さかん』です。」

「……へぇ。」


なんだか日本史で聞いたことのある単語があった気がしたが藍は何も言わないでおいた。

それにしても、妖怪についてさえ十分に知らない藍がいきなり一番上の学年にいってもいいのだろうか。

紫月はこの話は終わりだというようにコホンと咳払いをした。


「そして、藍さんに従属している海の怪についてですが。」

隣で有明が姿勢を正したのが分かる。

さっきは助かりたい一心で名前の力だ従属関係だと嘘八百を言って何とか保留にしてもらった。
けれど今回は緊急に偉い人々を集めて会議が行われたようで、そうなるともうどんな嘘を言っても決定が覆ることはないだろう。

ゴクリと唾をのむ。

始末、という決定が下されていないことを願うばかりだ。



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