不滅の妖怪を御存じ?
「大丈夫だって。佳那子はそんなことしないよ。」
「あの女だけじゃない。お前が入るかみの学年の奴らは全員いつでも俺を始末できるくらいの力はあるんだぜ。」
心底ぞっとしたような声を出す有明に、藍は説得を諦めてため息をつく。
「そんなに怖いなら私の部屋にいればよかったじゃん。」
「それこそ危ねえだろ!一人で部屋にいて誰かが襲ってきたらどーすんだよ!」
そう言ってギュッと藍の腕にしがみついてきた有明。
これが可愛い女の子だったら庇護欲も出てくるのだが、残念ながら有明は可愛くもなんともない男の子だ。
全く嬉しくない。
藍はもう考えても無駄だと思い無心で歩き出した。