不滅の妖怪を御存じ?



「この渡り廊下が好きなだけだよ。」

「へぇ。」

「そうですか。」


桜の言葉に千秋は興味なさそうに相槌を打った。
紫月は特に何とも思ってなさそうだ。

疑問に思ってたみたいだから答えてやったのに何だこの反応腹立つ。
桜の顔がさらにむすっとした。

石できれいに模様が描かれた庭を見て心を静める。



「風流だねぇ。」

「いいですね、ここ。」


佳那子と紫月が似たようなことを言いその場に座り込んだ。
桜もなんとなく隣に腰かけ、石庭を見つめる。

そうして、やっぱりここは好きだなと思う。
ハッとするような美しさではなく穏やかになれる美しさがここにはある。


「それでさ、」


千秋が隣に座り込みながら話を切り出す。


「これ、僕たちが見ちゃってもいいと思う?」


桜はふっと首を動かし千秋を見る。
キリッとした目と目が合った。
そうして、彼が右手に持っている物へ目を移す。




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