不滅の妖怪を御存じ?
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『植物の異常成長が続いています。速やかに近隣の神社もしくは寺内に避難してください。』
『結界の範囲を広げます。すけの学年の生徒はまだ植物の侵入がない都市部の駅半径100m以内に札を貼ってください。』
『本願寺はこれ以上避難民を受け入れられません。』
『円覚寺はまだ余裕があります。』
『平等院もこれ以上人を入れられません。』
桜たちが鬼道学園に着いた時には放送の嵐だった。
慌ただしく人が走り回る。
それでも泥だらけの桜たち継承者が通る度に妖怪と戦ったと勘違いして「お疲れ様です」と頭を下げてくる。
一々訂正するのもめんどくさいのでそのまあま通り過ぎるが。
泥だらけの靴下を脱いで裸足で板張りの廊下を話しながら駆ける。
「テレビでもすごい騒ぎになってますね。」
「もしかしたら鬼道学園の存在を公表しなくちゃいけない事態になるかもね。」
「てか千秋お前、どうやってあの竹内天音を説得するつもりだ?」
「なんとかなるでしょ。」
「なんとかなる相手じゃないだろ!竹内天音だぞ!」
ドタドタギャーギャーと騒ぎながら廊下を走る四人は端から見たら異様だ。
普段だったら誰もが二度見するほど珍しい光景。
だが、非常時だから皆自分の仕事に精一杯で桜たちに目を向ける余裕もなかった。