不滅の妖怪を御存じ?
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有田藍が、東北の妖怪と共にいるらしい。
その知らせが入った時、ちょうど桜たちは有田藍の元へ移動していた。
カランカランと下駄の音。
前を歩く重役のおじさん達がボソボソと話している。
「有田藍さんが東北の妖怪の味方をするというのであれば、我々の敵と判断します。」
理事長がそう言い、決定が下された。
ちょうど一同は車が停めてある場所に着く。
桜たちは黙ったまま車に乗り込む。
乗り込んだ時、千秋が運転手に見えないように手を動かし結界を貼っているのが見えた。
防音の結界。
何か話があるのだろうか。
桜は隣に座り込んだ佳那子と目を合わせる。
「父さんはああ言ってたけどさ、この際もう有田藍が敵か味方かなんてどうだっていいと思うんだ。」
紫月が席に座ったのを確認するなり千秋はそう言った。
「竹内天音と話した時気づいたけど、封印を解こうにも誰も解けないんだよ。そもそも壱与の姿が見えないんだからどこに封印されているのかも分からない。」
「それで有田藍さんが必要なんですね。」
「うん。だから僕らが九木に勝つためには有田藍を頼らなくちゃいけない。」
「佳那子の鏡は使えないのか?」
「私の鏡は活動している妖怪しか捉えられないの。」
そして佳那子が不安そうに千秋の顔を見つめた。
「でも、伊勢くんのお父さんはどうするの?」
「そこで提案があるんだけど。」
ビッと千秋が三本指を立てる。
「有田藍には今三つの敵がいる。壱与の封印を解いてもらうためにはまず彼女をこの三つの敵から助ける。」
桜は千秋の細い指を見つめる。
一つ、鬼道学園。
二つ、竹内天音。
三つ目は、なんだろう。