不滅の妖怪を御存じ?
「これは僕の独断で、鬼道学園は関係ないよ」
何てことないように言われた言葉に、え、と藍は固まる。
「鬼道学園は壱与の封印を解くことには反対してるし」
この人は何を言っているのだろう。
パチパチと瞬きをし、藍は千秋を見つめる。
鬼道学園が、反対。
伊勢千秋の、独断。
「その間抜けな顔どうにかしてくれない?」と千秋が失礼なことをのたまったが今はそれに構ってる場合じゃない。
「何で?」
「君は馬鹿?数秒前僕が言ったこともう忘れたの?」
「いちいち腹立つなぁ。そうじゃなくて、何で伊勢千秋が鬼道学園と正反対の行動してるの」
「僕が壱与の封印を解いた方がいいと思ったからだよ」
ムムム、と藍と千秋はしばし見つめ合う。
会話はしているが、言いたいことが上手く伝わってない。
千秋の涼しい目元をじっと見つめる。
「伊勢千秋は、継承者なのにいいの?」
再び藍が同じようなことを、意味が伝わるように考えて言う。
そうすれば千秋も藍が言いたいことが伝わったのか「あぁ、そのことか」と呟く。
そして、すっと整った顔立ちで平然と恐ろし位ことを口にする。