不滅の妖怪を御存じ?
「提案がある」
千秋の言葉に藍は目線を上げる。
「なに?」
「君が命をかけるなら、僕も命をかける」
「は?」
「未来へ人を連れていく能力を持った奴を知っている。そいつと交渉してみる」
「……」
交渉。
千秋と藍は数秒お互いの顔を見つめあった。
「なんでそれが伊勢君が命をかけることに繋がるの?」
「察しが悪いな。対価だよ。君を6550万年前から連れ戻すための」
私を未来へ連れ戻す、対価は伊勢千秋の命。
未来へ他人を連れていく能力。
「正確には、人の時間を封印する能力を持ってるんだ」
交渉に応じてもらえるかは保障できないけど、と千秋は続けた。
訳がわからないまま進んでいく話。
藍は未だに千秋が何のことを言っているのか掴めないでいた。
そんな時、助け舟を出してくれたのは天音だった。