不滅の妖怪を御存じ?





乙姫は何故こんなものを置いていったのか。
パカリと開ける。
中に入っていたのは、何十枚もの写真と絵だった。


「有田藍だよな、この一枚目」

「あぁ」



千秋はパラパラ写真をめくる。

下にいけばいくほど破れていたり、ぼやけていたり。
ある時からは絵になっていた。


「アテルイの系譜か」

「でもなんでそんなものを乙姫が?」

「いや、天狗だよ」


一通り写真を見終わると、千秋は箱の絵を見る。
描かれた天狗は目をつぶっており、何も語りかけてはこない。


「天狗の所有物だ、これは」

「でも天狗の一族はもう死んだだろ」

「だから乙姫らこれを置いていったんだよ。弓月が死んで、そうしたら、次にこれを受け取るべきなのは有田藍だしね」


そう言ってペラリと一番上にあった有田藍の写真を出す。
何となく言いたいことは分かったが、本人に渡せよと桜は思った。

何で乙姫は千秋と桜にこれを渡したのか。
俺らが有田藍と同じ、人間だからか。
分類雑すぎだろ。






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