不滅の妖怪を御存じ?






「別に届かなくても良かったんじゃない?乙姫にしたら捨てる感覚でもあっただろうし」


九木に反抗した天狗との繋がりを表すものを持っていても不利になるだけだ。


「それよりも、だ。早く乙姫の能力を受け継いだ子どもを探さなきゃ」

「そういや乙姫は何の要求もしなかったな」


伊勢家の血も、石上家の七支刀も。
結局彼女は興味を示さなかった。


「交渉するなら能力を持っている乙姫の子どもと交渉しろってことでしょ」


行こう、と千秋に促される。
その子どもがいたらしい、九木の元まで行くのだろう。

有明、有明と千秋は呟く。

妖怪は大体種族ごとに識別しているから、個々の名前などそうそう知ることはない。
どうやって見つけようか。

桜と千秋が悩みながら歩いていると。
後ろからバキバキと音がした。
誰か来る。






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