不滅の妖怪を御存じ?
「伊勢くん、桜くん!」
振り返れば、そこには息を切らせた佳那子と紫月がいた。
二人とも汗だくだ。
「……何で来てんの?」
二人ともケガしてなかったっけか?と桜は思った。
だが、そんなことはどうでもいい、という勢いで詰め寄られた。
「理事長はカンカンだし、他の重役の人たちは言い合いばっかりしてるし!何かやるつもりならちゃんと説明してよ!」
こんなに怒っている佳那子は初めて見たなぁ、と桜は他人事のように思った。
どうやら千秋と桜がいなくなった後の鬼道学園はてんてこまいだったらしい。
「何人かは伊勢くんたちを無視して神に頼る策を強行しようと意見しているのです」
紫月は息を整えてからそう言った。
つまり、何かするなら早くやれ、と言いたいのか。
鬼道学園が決定する前に。