不滅の妖怪を御存じ?




確かにあれは人間の叫びではなかった。
藍も思わず目をつぶり耳を塞いでしまった。


「何してくれとんじゃわれぇぇ!」

「1200年だぞ!分かってんのか!?」

「殺してやる!」


一気に妖怪たちが藍を怒鳴りつける。

あまりの大音量に耳を塞いだ手も意味をなさなかった。


「だからごめんって。」

「ふざけんな小娘!」

「いいんじゃないの、妖力99%スライム1%」

「全然よくねぇよ!」


太った河童はとても口が悪かった。
ものすごい剣幕で藍に唾を飛ばしてくる。
汚い。


「お前のせいで全てめちゃくちゃだクソ女!」


またやり直せばいいじゃない、と藍が見つめればウゴォォォといびきのような唸り声を上げた河童。
河童って唸るんだ。




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