不滅の妖怪を御存じ?
「私まだ死んでないんだけど。」
「知ってるよ。何、馬鹿にしてるの?」
「そうじゃないけど。なんで霊柩車?」
「君の友達が乗りたいって言ってたから。」
そう言って車に乗り込む伊勢千秋。
わけが分からないまま藍が車内に入ると、竹内蛍が目をキラキラさせて話しかけてきた。
「藍、俺たち人生で二回も霊柩車に乗れる!一回目は今で、二回目は死んだとき!」
「二回目人生終わってるよ。」
藍はため息をついてシートに座る。
はしゃぐ竹内蛍に、窓の外を見続けている千秋。
運転しているのは白髪をキッチリ七三分けにした60ぐらいのおじいさんだった。
深緑色の着物がとても素敵だ。
なんだか疲れて、藍はシートに体をもたれかける。
少し首を伸ばしてみれば、車の天井に何か絵が貼ってあった。
これからどうなるのだろう。
目を細め藍はそう思った。