不滅の妖怪を御存じ?
「私、隅田佳那子。佳那子って呼んで!」
「うん、よろしく。」
佳那子は目を細めて笑うとパッと藍の荷物を持った。
「じゃ、行こうか。鬼道学園の入口はもうちょっと先だから。」
そう言うと藍の返事も聞かずカラカラと下駄の音を響かせ歩き出す。
藍も慌てて後を追う。
「あ、あのさ。」
「なにー?」
「なんで私、鬼道学園に行くの?」
藍の言葉に佳那子は足を止め振り返った。
キョトンとした顔。
後ろでは深緑がサワサワと揺れている。
「伊勢くんから聞いてないの?」
「詳しいことは全然。」
ハーッと佳那子が呆れたようにため息をついた。
やれやれといった風に苦笑い。
「しょうがないな、伊勢くんプライド高いから。」
「そうだね、彼秀才っぽいもん。」
「うん。首席で学院の理事長の息子。」
カラン、とまた佳那子は階段を上
り始める。
さっきよりは少しゆるやかなペースで。