不滅の妖怪を御存じ?




藍もどんな表情をすればいいのか分からないのでとりあえずへラリと笑っておいた。
そして、耐えきれなかったように「ぶふっ」と佳那子が噴き出した。

それが合図だった。
一斉に、部屋にいる人たちがクスクス笑い出した。


「スライム?」

「スライムだってー。」

ケラケラと笑う女の子たち。

佳那子も口元を抑えているがクックッと笑い声が漏れている。

男の子も何人かで集まってコソコソ笑っている。

いきなり笑い出した周囲について行けず藍は困った。
おまけに、どうやら藍が冗談を言ったと思われているみたいだ。
冗談みたいな本当の話なのに。


そこで、端の方にいる伊勢千秋が1ミリも笑っていないことに気づいた。
最初と同じように藍を睨んでいる。

どうして藍が睨まれなければいけないのか。

藍もムッとして睨み返す。




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