不滅の妖怪を御存じ?
「私考えたんだけどさ、方法。」
「え、なんの?」
唐突な佳那子の言葉に藍は戸惑う。
佳那子はそんなの御構い無しでパッと何か書かれている紙を取り出した。
「もうすぐ入学試験あるからさ、やってみようよ!」
佳那子が取り出した紙には「入試概要」と書かれていた。
筆で。
藍は思わず苦笑いする。
そもそも藍が鬼道学園に引き取られる時生徒ではなく掃除係りという扱いになった理由はここにある。
『鬼道学園に入学する資格のある者。』
達筆で書かれた下にはいくつかの項目がある。
『齢六つに達した者。』
これはクリアしている。
『一族が代々鬼道学園で妖怪について学んだ家系であること。』
これがクリア出来ていないのだ。
藍は家系はそもそも実の親さえも知らない。
後で学園名簿で調べてくれたようだが、有田という苗字の生徒はいるらしい。
しかし藍との血縁関係は何もなかった。
生徒として迎えるわけにもいかず、しかし本当に妖怪が見えるのかも分からない娘をタダで引き取りたくはなかったのだろう。
掃除係りとして住み込みで働かせてくれたのだ。
京都の道端に捨て置かれなくてよかった、と藍はその話を聞いたときに思った。