不滅の妖怪を御存じ?
「私の家系、多分鬼道学園に何の関係もないから。」
藍はそう言って紙を畳んだ。
佳那子は藍が掃除係りとして働いてることに不満らしい。
「九木の妖力の源壊したんだから、素質は十分じゃん!生徒でもいいはずでしょ!」
一週間前そう言って騒いでいた佳那子。
伊勢千秋は全く取り合わなかったが。
「実はさ、私この入試の手伝いやらされるんだよね。」
佳那子はそう言ってニヤニヤ笑ってくる。
そして藍のほうに顔を近づけ耳元でとんでもないことを囁いた。
「入学願書、盗んできちゃった。」
「……は?」
ガバッと顔を上げれば目の前にはニッコリ笑いVサインをつくっている佳那子。
ポニーテールによって爽やかなスポーツ少女のようだ。
藍が口を開こうとしたとき奥から甲高い声が聞こえてきた。
「佳那子さん。次の授業始まりますよ。」
ぞろぞろと三人ほどの女の子たちがやってきた。
手には何冊かの本。
淡い桃色の着物に、三つ編みおさげ。
見た目はとても可愛らしいのに、その目は真っ直ぐに藍を睨みつけてくる。
そうしてズンズン近づいてきて、ぐいっと佳那子の手を掴む。