【完】蘭蝶~愛されない姫は女総長様~
好きだよ。
春ちゃん……っ
カタンッ
え……?
私は後ろを振り向いて、そこにいた人を見てびっくりした。
愛菜「由衣……」
由衣「ごめんね、見るつもりはなかったの。ただ愛菜が心配で来たんだけど、春菜にここにいるって聞いて」
由衣は私に近付いてくる。
スッ
由衣は服の袖で私の涙を拭ってくれる。
愛菜「濡れちゃうよ?」
そう言うと由衣は、クスッと笑う。
由衣「別に濡れても良いよ。僕は泣き顔より愛菜の笑顔の方が好きだもん」
ズキンッ
前なら嬉しかった、この言葉。
でも、今は胸が痛くなる。