【短編】唇を近づけて



ギュッと、心が掴まれる。



近藤くんは、ずるい。




「近藤くん、あの…」




プルル…




あたしの決意を遮るかのように、鳴り響く携帯の着信音。




「…あ、でていいよ?」



「悪い」




気まずそうに笑う近藤くんは、




「もしもし、うん…あかり?」




あたしのものじゃ、ない。



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