【短編】唇を近づけて



近藤くんは、あたしのことをどう思っているのだろうか。




可哀想、だなんて、同情の目で見ているの?



俺が助けてやらなきゃ、なんて、正義感?




「バカって…」



「青木は、バカだよ」



「へ、偏差値は割といいし」



「そういう意味じゃねえよ」




顔を上げた瞬間、近藤くんの手があたしの頬っぺたをギュッとつねる。




「痛っ…」



「悔しくねえの?」



「え?」



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