あくまでも骨董屋です。

「主任。お子さんが出来たそうですね!少し早いですが、これ、お祝いです」

翌朝、出社するなり私はあの男に声を掛けた。

お祝いなんて、本当は言いたくない。だけど、引きずってるとも思われたくなくて、できる限りの笑顔を作った。

「えっ……!そ、そうか、ありがとう」

主任は、私からプレゼントを受け取ると周囲を見渡して言った。

「その話はまだ誰にも言ってないんだから、不用意に口にするなよ」
「なんで秘密にする必要があるんですか?おめでたいことですよ」
「う…うるさいな。君にはもう関係ない」
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