あくまでも骨董屋です。
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「幸せの絶頂から、地獄へようこそ、だな」
薄暗い店内で、美貌の男はうっすらと微笑みを浮かべた。
『ご主人様は酔狂過ぎです』
男の肩には、一羽の鷹が止まっていた。
「そうかな?純粋な魂ほど、憎しみに染まったときが1番美しいんだよ。それに幸せの絶頂で、それが奪われる時の絶望に彩られた魂は1番美味しい」
悪意など微塵も感じさせない美しい笑顔の男の掌には、小さな光る何かがあった。
『それがあの女の魂?』
「そうだよ。どうだい?この黒く絶望に染まった魂」
『確かに、美味しそうではあります』
「だろう?」