あくまでも骨董屋です。
「馨ー。もう忘れなって!」
翌日の夜。金曜日なのを良いことに、親友の美香を呼び出してやけ酒に付き合ってもらった。
ベロベロ…とまでは行かなくても、足取りが危うくなる位には酔っ払った私は、一人暮らしのアパートの近くまでタクシーで送ってもらった。
持つべきものは親友。
大通りでタクシーを降りて、アパートまでふらふら歩いていると、ふとレトロな佇まいのアンティークショップが目についた。
ちらりと腕時計に芽をやれば、深夜1時を過ぎている。
それにも関わらず、その店には「営業中」という看板が、ドアに掛けられていた。