優しい嘘
本気で恋をしてしまった…………。
たった少し見ただけなのに………
これから会えるかも分からないのに……
一生会えないかもしれないのに……
私は……………
星野夢斗に…………
恋をしてしまいました。
初恋だ…………。
こんなにも胸がドキドキして……
落ち着けなくて………
「す………き………」
思わず声に出して言った。
多花音はびっくりしながら
「うそー?!本気で?」
「うん…」
多花音の目を見てこたえた。
「初恋じゃん。
ほら!連絡先聞いてきなさいよ」
多花音は私の背中をおした……
「え………」
そっか、もしかしたらもう会えないかも
しれないんだ………。
「ほら!早く……」
「ううん。いいの」
「もう会えないかもしれないんだよ?」
「大丈夫。また会えるから……」
なぜか私はそう答えた。
もう一度会える気がしたんだ。
運命なんて恥ずかしい事は言えないけど…
「そっか……」
多花音は微笑みながらそういった。
私の言いたいことが
多花音には分かったんだろう……
星野くんとまた会えますように……
そして合格しますように………