anjel
立ち上がろうとすると、みっくん先輩が私の手を掴んだ。
「ストップ~」
そう言って、私を座り直させる。
「え?」
「背中の文字は、″ファンタジー″って読むんだよ~♪」
笑顔のみっくん先輩。
ファンタジーかあ………
「いいですね」
ニコリと笑う。
「あいつには内緒な」
口元に人差し指をたててあてる先輩。
そんなさり気ない仕草に、ドキッとしてしまう。
「分かりました!内緒…ですね♪」
なんだか、2人だけの秘密ができたみたいで、
すごく嬉しい。
「幸望~教えてもらえなかったーー」
朱里が残念そうに帰ってくる。
そんな朱里を見て、みっくん先輩と顔を見合わせて笑った。