anjel
「いつも屋上で歌ってるみたいに、
心こめて、たのしく歌ってよ。ね?」
ポンポンっとたたいて微笑むみっくん先輩。
その言葉で、うるさかった心臓が
少しだけ、静かになった気がした。
「…はい!」
私はそう言って、笑顔を見せた。
アナウンスが入り、私たちの出番になる。
ステージにあがり、中央にあるスタンドマイクの前に立つ。
目の前には、たくさんの人。
前列には朱里たちがいた。
私にむかって手をふる友達。
だめ。
緊張と、不安で、涙が出そう。