anjel
夢
それからあっという間季節は流れ、
私の嫌いな冬……3学期に突入した。
2年生の私たちは"3年の0学期"と言われ、
受験を意識した空気が流れている。
3年生の先輩たちは、センター試験が終われば学校に来なくなる。
たまに廊下でみっくん先輩にすれ違う事も、もうなくなるのかな…
そう思ったら、ちょっと寂しくなる。
「なんだかぴりぴりしてるよね、クラス。」
奇跡的に、また席が前後になった私と朱里。
「だね。まるで、受験生みたい。」
朱里は教室を見渡しながら言った。
私は全然受験とか考えてないし、将来の夢もない。
この高校は進学校だけど、大学に行きたいから入ったわけではない。
ただ、翔輝がこの高校を受験すると聞いたから受験したんだ。
2人とも同じ高校のほうが、おばさんも楽だしね。