anjel
その日の帰り道。
「大学?まー将来やりたいことあるから、
だいたい決まってくるかな」
あっさりと、そう答えた翔輝。
…やっぱり決まってたんだ。
「そっか…」
「幸望は?決めてねーの?」
頷く私。
「歌手とか言ってなかったっけ?」
「いつの話してるの?もうだいぶ前だよ?」
翔輝って、人の話聞いてるんだか聞いてないんだか分かんないよ。
記憶力はいいはずなのにね。
「そうだっけ?」
「うん……」