anjel







その日の帰り道。


「大学?まー将来やりたいことあるから、

 だいたい決まってくるかな」


あっさりと、そう答えた翔輝。


…やっぱり決まってたんだ。


「そっか…」


「幸望は?決めてねーの?」


頷く私。


「歌手とか言ってなかったっけ?」


「いつの話してるの?もうだいぶ前だよ?」


翔輝って、人の話聞いてるんだか聞いてないんだか分かんないよ。


記憶力はいいはずなのにね。


「そうだっけ?」


「うん……」







 
< 292 / 600 >

この作品をシェア

pagetop