anjel
……そんなの分からない。
頑張れないかもしれない。
追いかけられないかもしれない。
…それでも、私は歌いたい。
もう一度、私の歌で、みんなを笑顔にさせたい。
叶えられる可能性があるなら、
少しでも、やりたい。
「亮二先輩。顔をあげてください。」
変わらず、真剣な目で見つめられる。
私も、真剣な目で見つめた。
「私、ちょっと前まで、歌手なんかなれないって思ってました。」
才能なんて、小学生の時だけかもしれない…
そう思ってた。