anjel







岸本くんと話した日の夜には、


いつも翔輝の部屋に呼び出される。


「まだ分かんねえの?」


って言って、深いキスを何度も落とす。


「俺の性格分かってんだろ?」


「ちょっ……ストップっ」


「早く気づけよ…幸望……」


イライラしたり、切なそうな目をしたり。


そんな翔輝を見て、身に覚えがあるような気がした。


私をぎゅっと抱きしめて、大きなため息をつく翔輝。


体がくっついて離れないんじゃないかってくらいに、きつく抱きしめられる。


まるで、誰にも触らせないように…


とられないように…







 
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