anjel
そんな翔輝の行動で、私はあの時のことを思い出した。
家の前に女の子がいて、翔輝にベタベタ触ってたときの事。
すごくイライラして、嫌だった。
「翔輝……」
もしかして、あの時の私と一緒?
「…ん?」
「翔輝…嫉妬、してるの?」
私の言葉に盛大なため息をつく。
…やっぱり、違った?
「幸望、遅すぎ」
怒られると思ってぎゅっと目を閉じていた私の耳元に、
あきれたような翔輝の声が聞こえてくる。
「俺が嫉妬深いの知ってるだろ?
どんだけイライラしてたか…
もう少しで岸本を殴るところだったし」
一度緩んだと思った手に、また力がこめられる。