anjel
先輩たちは、どんなバンドにしたいんだろ。
本気でバンドをやりたいって気持ちは伝わってくるし、
私もそれに着いていきたいって思う。
でも、それだけじゃ、歌の世界で生き残れないはず。
もっと、明確な目標がなければ………
「幸望ちゃんは、どう思う?」
不意に、奏多先輩に聞かれる。
「どう…とは?」
「どんな言葉入れたい?」
「んー……
先輩方は何かありましたか?」
「とにかく、みんなに俺たちの歌を届けたいって事くらいかな」
ちょっぴり苦笑いで、亮二先輩が答える。
「そのためにバンドするんだもんな」
「…ずっとそうだったし」