anjel
「いっそのこと、”幸望”でいいんじゃない?」
私の後ろで、楽しそうに笑う声。
久しぶりに聞く声に、胸がドキドキする。
「幸望ちゃんがいてこその、バンドじゃん?」
ね?と言いながら、私の頭をなでる。
「みっくん先輩………」
「幸望ちゃん久しぶり」
ニコッと笑うみっくん先輩。
「お久しぶりです!」
「瑞希おせーよ!」
「ごめんごめん」
「瑞希来ないと、亮二が暴走すんだけど」
「…うざかった」
奏多先輩と翔先輩の言葉に思わず笑う。
亮二先輩の言われよう…
去年よりひどくなってるかもしれない。