anjel
すれ違い
学祭の役割が決まった次の日。
「ほら、あの子が1組の団長だって」
「へー、女子って珍しいね」
……朝からものすごい噂されてる。
変な噂じゃないからいいものの、
色んな人から見られてて、ちょっと怖い。
団長になったってだけで、同学年からこんなに注目されるんだ。
これが全学年に知れ渡ったら……
考えただけで、思わず身震いする。
「だからやめとけって言ったのに。」
隣にいた翔輝が、はぁとため息をつく。
「注目されるの得意じゃないくせに、
やりたいとか言うなよ」
「でも、やりたいんだもん」
「…またあの先輩の影響?」
先輩?
「みっくん先輩のこと?」
私がそう聞くと、翔輝は一瞬怒った顔をして、
すぐに元の顔に戻った。