anjel
自分の席に戻ると、席替えでまた前後になった朱里が
クルリと後ろを向いた。
「ちゃんと喋れてたじゃん♪」
「ほんと!?よかった~」
ほっとひと息つく。
みんなの前で話すの、すごく緊張する。
どうしたら緊張しなくなるのかな…?
こういうとき、みっくん先輩って本当にすごいんだなあって思う。
堂々としていて、ハキハキとみんなの前で話す先輩。
…やっぱり先輩みたいになるのは無理だなあ。
そんな事を考えてる私の頭に、朱里の手がのる。
「ちょっとずつ慣れていったらいいじゃん」
ね?と笑顔で言う朱里。
「…うん!」
ありがとう、と心の中で呟いて私も笑顔を見せた。