anjel
フィールド、ステージ、イベント、その他もろもろの資料を抱えて廊下を歩く。
この資料は生徒会長に提出して、こっちは先生のハンコもらって……
うぅ。大変。
………でも、なんだか楽しい。
去年までは何でも教えてもらう側だったから、
こうやって自分たちで何かを作り上げていくのって、
すごく楽しい。
顔がゆるみそうなのを、慌てて抑える。
そのとき。
「幸望」
聞き慣れた声。
だけど、すごく久しぶりに聞くような気がする。
振り向くと、ポケットに手をつっこんで立っている翔輝がいた。
「今日は?一緒に帰れねーの?」
「今から資料を提出に行かないといけないんだ。
…ごめんね?」
私がそう言うと、翔輝はすごく不機嫌な顔をして、
私に近づいてくる。