anjel
別れ
家出してから2日。
明日は月曜日だし、さすがに制服取りに帰らないと…
学校行けないしなあ。
でも、翔輝に会いたくないし……
ん?そういや翔輝って、
土日はいっつも塾に行ってるっけ…?
じゃあ、今のうちに!!
「先輩!私、いったん家に帰って、制服と学校の用意とってきます!」
「幸望りんここから学校通う気!?」
ドラムの手入れをしていた亮くんが、
目を丸くしながら言う。
「…ま、いいんじゃない?」
楽譜とにらめっこしながらそう言ったのは、翔。
「俺は家に帰るべきだと思うけどな」
と言ったのは、奏ちゃん。
「……」
確かに、自分でも帰らないといけないなって思ってる。
私がここに泊まるってことは、
先輩たちもここに泊まるってこと。
昨日も、「私一人で大丈夫です!」って言ったのに、
「女の子一人にさせられないよ」って断られた。
だから、きっと、私が帰るまで、
先輩たちも帰らないだろう。
そう思うと、家に帰らないといけないなって思う。