anjel
「幸望……」
「………もう、やめよ?」
「…え?」
もう、やめよって言ってるの。
「付き合ってからの方が、イライラすること多くなったでしょ…?それなら、もう、別れて……」
「お前は!!俺がどれだけ幸望のこと好きか分かってない!!」
私の言葉を遮るように、翔輝が声を荒げる。
「小さい頃からずっと好きで、お前だけしか見てなくて……。幸望の両親死んだ時、俺が幸望を守るって、誓ったんだよ!!」
「翔輝……」
「帰りが遅かったら心配するし、お前になにかあったんじゃないかって……。そんな俺の気持ち、考えた事あるのか!?」
…そんなこと、考えた事、なかったよ。
翔輝がそんなに私のことを想ってくれてるなんて、
考えた事なかった……。
「それなのに、イライラするから別れる、とか、意味分かんねえ。」
翔輝はそう言って、私の部屋から出て行った。